●お金の役割

人類は経済システムを発明した。

ネットでお金の本質について書かれているページを見つけた。

(以降、このページの引用文は、この色で表記。)

このページでは、「富と豊かさをもたらす基本3原則」についてキリスト教ベースで説明がなされている。

宗教の信仰、無宗教と関係のない道具としてのお金に関する説明もなされている。

お金が登場する前は物々交換だったが、これだとお互いの欲しいものと手放したいものが合致し、しかも同じ価値(等価)である必要がある。 しかし、お互いの持っているものと、交換したいものが異なることが圧倒的に多いため、物々交換は、非常に不便である。 そこで、登場したのが、中間的な媒介をするお金である。 お金には3つの優れた機能(価値の基準、交換機能、備蓄機能)がある。

先人が発明したお金のシステムに感謝することが先決である。

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●新しい経済システムの必要性

現在の経済危機による閉塞状態を打破するための、まっとうな具体的解決方法については、政治家や経済評論家、宗教家など、どの分野の人も提唱していないように思います。なぜならば、今回の経済危機は過去にないレベルのものであり、過去の経験が役立たないからです。 表向き終焉したように見えたとしても最終的にはウミが出尽くすまで続くと思います。 今の経済危機が過去の延長ではなく、新しい経済システムに移行する過程であるという認識がなかったり、また、その認識があったとしても、どうすれば移行できるかの具体的な知恵が、まだ与えられていないからだと思います。

民衆を支えている政治家や経済評論家、宗教家、マスコミなどのリーダー(全体の5%の人)が、今現在充分満足な人生を送っているために、既存のルールに固執して解決することに精いっぱいで、良い知恵が浮かばないということだと思う。残り95%の中の比較的余裕のある人々が結集して知恵を集める必要がある。自由経済を義務経済に変更して義務を守ることで逆に奴隷社会よりも自由社会になるようにしつつ不況にならないシステム(全業界の入出力管理システム)を構築するための多様な案が思いつくはずだ。エンターテイメント業界には優秀な人材がうろうろしている。

宇宙人が来て教えてくれるという説(貨幣制度の撤廃など)もあるが、私を含めてUFO目撃情報が多いところを見ると、教えてくれるのではなく、自分たちで考えろということのようである。

全ての人のミッションはこの地上で天国を創ることです。

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●新しい経済システムを考えるにあたって

変革の時には、最初は偽の新しい社会システムも台頭してくると思いますので、偽の新しい社会システムに騙されない知恵が必要になることでしょう。 偽の新しい社会システムの最大の特徴は、世界統一というキーワードがあるということです。 聖書的な視点で見ると世界統一というキーワードは危険なキーワードだという認識です。 世界平和のために世界を統一するという非常に耳あたりの良い響きで、皆の関心を引き付け、最初のうちは良い社会になりそうに見えると思いますが、最終的には、間違った方向であると思います。 偽物が多く登場するのが、これからの時代の特徴の一つだと判断しています。

確かに新しいシステムを実現するには、実施する前にあらゆる角度から検討しないと人類を破滅に導くことになる。

たとえば、現在の国連を頂点とした社会システムは「軍事力」と「金」で世界統一を企てている。

平和を守るためと称して発達してきた軍事産業が建設物の破壊や人間の心の破壊を生んでいる。

平和の尊さを教育しようとせず、必ず悪い奴がいるからと暗示をかける。

銃を持てる社会を作って銃で儲けて「動くな銃を捨てろ。」という銃社会。

平和国家を次々に軍国主義国家に導いてきた。

偽物呼ばわりは注意しなければならない。単なる文化の違いであることが多い。

実際に日本とは価値観の違う中国に住んでみて、反日暴動などで外で日本語をしゃべらないようになどのお達しが出るような日々を経験したりして、現在の経済システムという存在の有り難みを思い知った。買い物に出かけると、たとえ国民的に非難対象になっているさなかの日本人が相手だとわかっても、大多数は買ってもらえることを期待して笑顔で接してくれる。「両国ともこれ以上経済が悪化しないように日中関係を良くしなければならない。」という流れが出来る。逆に自国だけが正しいと自惚れて経済制裁を一面に出したり軍事力を強化したりすると、忘れたころにその副作用が出てくるわけである。

貧しい人に大金を寄付すること(施しをすること)は賞賛に値します。 しかし、人からの賞賛はすでに、賞賛という報酬を受け取っていることになります。 だから、施しをするときには、人にほめられたくて会堂や通りで施しをする偽善者たちのように、自分の前でラッパを吹いてはいけません。まことに、あなたがたに告げます。彼らはすでに自分の報いを受け取っているのです。 あなたは、施しをするとき、右の手のしていることを左の手に知られないようにしなさい。 あなたの施しが隠れているためです。そうすれば、隠れた所で見ておられるあなたの父が、あなたに報いてくださいます。

「人知れず、こっそり良いことをすると、受ける報いも人知れずこっそり得られる。」ということだと思うが、この場合誰からもケチをつけられないため満足感が長持ちする。自己満足の極みなのだが、自分ではこっそりのつもりでも、いつかはバレたり、どうもバレているようだと不安になったときには、そのことをみんなに「えっへん」と自慢するほうが正しいということにもなる。結局は人前でわかりやすく良いことをするほうが、みんなの参考にもなるので正しいという考え方もある。この価値観の違いは、個人主義と集団主義の違いとも言える。人知れずと言っても脳は知っているので、神(クラウド霊システム)を通じて相手の脳も知っていて、お返しをしてくれるということである。意識ではわかっていないので、それが良いのかどうか考え方にもよるところである。少し親切にしたけど、その倍いじめた場合、総合的にはいじめた結果が返ってくるわけで、それが意識ではわからずに親切にしたのにと不満な思いが残るということもあるわけである。

東日本大震災の被災者に限って言うと金銭的な援助も自助努力に繋がる援助も両方必要である。

聖書的な視点では、高額時計やダイヤモンドの類を持つことは、物欲主義で心が貧しいということになるのだろうか。

だとすると、国民や従業員から集めるだけ金を集めて、高額時計やダイヤモンドの類を購入するリーダーが袋叩きにあう理由もうなづける。

しかし、日本古来の考え方で言うと、高額時計やダイヤモンドにも神が宿っていて、高価な分だけの魂の塊という見方ができる。多くの製品には技術者の魂が、物によってはメンツ魂が宿っている。

生きることを望んでいる命の重さとは比べようもないが、文化の違いや宗教観の違い、価値観の違いで、本物にも偽物にもなりうるのである。

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●前述のページの「お金の本質」より

・人はみな、上に立つ権威に従うべきです。神によらない権威はなく、存在している権威はすべて、神によって立てられたものです。

キリスト教もイスラム教も幸福の科学も創価学会も神によって立てられたものである。神が生んだ多様性の一つである。人間には、批判したり、より良いものを選ぶという自由を与えられているが、毎年首相が変わるというのは限度を越えている。

・過去の世界の歴史から判断すると、エンターテイメントがブームになるのは、文明が崩壊する末期に現れる現象です。

これも度の問題である。エンターテイメント業も必要だが、生活を維持するために必要な職業が優遇されなければならないことは確かである。

ますますクローズアップされてきている環境問題、度が過ぎないようにという警告と言える。

・金銭を愛する者は金銭に満足しない。富を愛するものは収益に満足しない。これもまたむなしい。

確かに、「稼いでも稼いでも、七割も“ピンハネ”をされる」という話を聞いたことがある。普通の人からみたら、3割でも高額なのだが。

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●現在の経済システムの弊害


経済を優先して予算を減らすことの弊害 2017/05/07 追加

人間はどうしても自分の側の論理のみで物事を見る。末端で作業している私の思いというものが社会全体の声の中心あるいは理想とは言いがたい。

ここ数年、私の職場は常に切羽詰まった状況で、私のような門外漢には隠すべきような内容の話まで届いてしまうことが多かった。それが原因で自分の専門作業に集中できないということはあったが、それを幸いに、大川総裁のお言葉を借りるなら、製造業の開発プロジェクトの設計側の優秀な方々を指導霊としてついてもらって述べる。

つまり、私の意見というよりも、ここ数年私の耳に入ってきた現場の声と情報を中心に述べる。私の場合、新人のときに、東芝関連会社の仕事を通じて、学生とプロの違いとして、プロは原理原則をベースにモノ(ソフトウェア)を作るだけでなく、モノを生産して維持するのに必要なノウハウの基礎固めの重要性を学んだという過去があり、その影響が文面に反映される可能性はある。今の私はファームウェアという分野を担当していて事情が異なる。

経済を優先することと安全を優先することは対極にある。経済優先側(略して経済側)と安全優先側(略して安全側)の両方の声が聞こえている。

経済側の問題として今思いつくことを述べる。

安全側の問題として今思いつくことを述べる。

経済側と安全側は対極にあると書いたが、より進化した企業では、表裏一体というか、ともにあるという表現が正しいと思われる。

私の経験としては、今まで何をしているかわからなかった人に仕事を手伝ってもらうことで、検証チームのリーダーも文書管理等のリーダーもできる人であることがわかった。つまりこの人が3人いて、なおかつ、詳細側の部下がそれぞれに複数いることが理想なのだが、現実は理想とはほど遠く、中国型開発方式を選択せざるを得ない状況となっている。

東芝の原発事業の巨額損失による急降下は非常に残念。原発事故が安全要求のレベルアップに繋がったということが背景にあるが、文化の違う海外の部門を丸ごと買収することのリスクの大きさを目の当たりにした。誰もが結果論で批判することは可能だが、私のようなレベルではとても批判できることではない。

フォルクスワーゲンのディーゼル車の不正ソフト問題では、「全従業員60万人の従業員は悪くない。ほんの数人の判断によるものだ。」という話があったが、この判断も、「従業員を守るにはこれしかない」的な重すぎる責任感が原因の可能性が高く、正当性のある批判をした株屋さんよりも不正ソフト作成側に同情してしまうという自分もあり、ストレスがたまって血圧も高くなることが多い。こういうことが、原発には反対する理由である。人間は疲れるとミスを犯すということが科学的な検証により証明されているのでどんなに優秀な人が設計して製造したとしても第三者検証という課程は特に人間の命に関わる大きなプロジェクトには重要である。


日米の格差問題 2017/01/03 追加

池上彰さんの緊急番組(2016年12月放送)で貧しい人がますます貧しくなるという日本の格差の深刻さを緊急事態として示していた。

富裕層優遇で潤うのは富裕層で貧困層には影響を与えないということが示された。

グローバリズムの問題としては、自国民をリストラして海外に進出し税金は海外で納めるという企業の生き残り戦術にも触れていた。

今をときめく孫正義氏がパナマ文書を擁護していたことが記憶に新しいが、これが世界共通の価値観などと言われて黙っているわけにはいかない。

収入上位1%の人と下位90%の人の収入の1980年以降の推移を示して、上位1%の人の収入は上昇しているが下位90%の人々の収入は下降していることを示していた。

日本の平均所得の推移は次の通り。(1980年を1.0とした場合の比較値で示す。)

日本の平均所得の推移

格差が広がっていることがわかる。バブル崩壊後、上位1%は持ち直すのが早かったが、下位90%はひたすら下がっている。このグラフから民主党政権時は上位1%の人の収入も降下していたようだと一瞬思ったがこの時期は米国も同じ傾向。米国の平均所得の推移は次の通り。

米国の平均所得の推移

米国は格差は広がっているが、下位90%の人々は35年間ほとんど安定している。比較のため日本と米国の平均所得の推移を同一尺度のグラフで見てみると、

日本と米国の平均所得の推移

こうしてみると、日本の上位1%の推移はむしろ米国の下位90%の推移に近いほどである。(額ではなく1980年と比べての推移。)

米国の上位1%の人々の異常とも言える収入の上昇ぶりが目立っている。

Windows、Googleその他、世界のネット社会の根幹を握っていることが大きいようだ。グローバリズムによって世界中から資金をむしり取っているといわれてもしょうがない。

年金は、国民年金とか厚生年金などの区別を廃止して、定年後と就労前の子供には平等に一律にすべきだろう。定年引退後も2世にも格差が継承されるなど許されない。

年金受取額は、一律額を最大値として、過去現在の犯罪歴などの負の情報を元に額を差し引いていくなどの対策は必要である。

自由な競争を進めた結果どうなるかがわかった世界は自国民優先に向かっている。

池上彰さんのこの緊急番組では世界の大富豪ランキング「巨額資産のからくり」と題した内容も取り上げた。

池上氏がインタビューした中で、たまたま確認した前日のデータによると、世界一のビル・ゲイツ氏がたった一日で約1700億円の資産を失っていた。 このような話を聞いては、東京五輪の会場見返しで400億円削減できて喜んでいる私達の気力が大幅に後退する。ビル・ゲイツ氏の功績は認めるが、Windowsを利用して恥じらいもなく次々と独占していく様子を見てきているだけに、YouTubeで「競争がこれからのキーワードだ。」などと主張すると自己弁護としか聞こえない。ビル・ゲイツ氏の頭脳ならば、万民のためのシステムの妙案が浮かばないはずがない。

AIソフトに数字を入力しただけで資産が大幅変動したり市場が大幅に影響を受けるようなシステムは撲滅しなければならない。

私事だが、
中国出張中、日本ほどセキュリティにうるさくなかったので休日も普通に自宅で仕事をしていた。 日曜日は、早朝6時前に起きて近くの山(惠山:高尾山よりも低くて気軽に登れる山)に登り、9時前に自宅に戻ることを目標としていた。 なるべく早く戻って仕事をするという理由からだった。実際は9時前に戻れたことはなく、仕事もしたりしなかったりだったが。 仕事で出張しているのだから当たり前と言えば当たり前なのだが、仕事優先の生活だった。

日本人でも休日に遅くまで寝ているという人がいて、時間がもったいないなどと思ったものだった。
しかし、去年、仕事を手伝っていただいてわかったことがある。
その人、仕事がものすごく早いのである。一生懸命やっているのである。
平日複雑な人間関係の下で全力で働いているからこそ休日は疲れ切っていて寝ているのだということがわかってしまったのである。
何やっているか全然わからないで人を評価することの怖さを思い知ったしだいである。


製造業の開発例 2015/12/20 追加

ここでは数ある職業の中の製造業の開発の一例として、aiPhoneプロジェクトなるものを立ち上げると想定する。

企画計画(リーダー = k.ジョブズ氏)

aiPhoneなる製品を作って売るのが目的。リーダーは人間の価値は経済力で決まると信じているものとする。要求仕様の大筋はk.ジョブズ氏が考える。k.ジョブズ氏は日頃から良品・不良品を意識した目線で生活を送っていて、不良品・粗悪品を蔑視、経済力を保持するためにひたすら良品を追求するタイプ。

通常、企画から量産&販売まで数多くの組織・工程を組むがここでは開発チームと品質保証チームに限定して、Vモデルと言われる開発プロセス、管理方法(本来はソフトウェア開発技法)で表記する。


・開発チームがaiPhoneをモノとして完成させ、品質保証チームがそれを認定する。

開発プロセス全体像:
要求仕様
(k.ジョブズ氏監修)
(a2)
(a4)
品質保証総合テスト
  (a1)(a3)   (d1)  
  設計仕様概念 (b2)
(b4)
統合テスト  
    (b1)(b3)   (c1)    
  aiPhone実機試作  

品質保証総合テストに合格するまで矢印(やり直し&移行)を繰り返す。

a1). 要求仕様を元に設計仕様概念を作成。
a2). 要求仕様を元に品質保証総合テストのためのテスト仕様書作成。
a3). 設計仕様概念作成で問題があれば要求仕様に戻ってやり直し。
a4). 品質保証総合テストで問題があれば要求仕様に戻ってやり直し。
b1). 設計仕様概念を元にaiPhone実機試作。
b2). 設計仕様概念を元に統合テストのためのテスト仕様書作成。
b3). aiPhone実機試作中に問題が発生したら設計仕様概念に戻ってやり直し。
b4). 統合テストで問題があれば設計仕様概念に戻ってやり直し。
c1). 完成したaiPhoneの統合テストを実施。
d1). 統合テスト終了後、aiPhoneの品質保証総合テストが実施される。


・開発チーム/ハードウェアチームがハードウェアを完成させる。(一部モジュールは外部委託するとする。)

(設計仕様概念)
(統合テスト)
  ↑↓    
  ハードウェア設計
ハードウェアテスト  
    ↑↓      
  ハードウェアモジュール設計
ハードウェアモジュールテスト  
    ↑↓      
  ハードウェア実装(試作)  

・外部会社がその会社の開発プロセス、管理方法で一部モジュール(ハードのみモジュール、ソフトを含むハードモジュールなど)を完成させる。


・開発チーム/ソフトウェアチームがソフトウェアを完成させる。

(ここで言うソフトウェアとはaiPhoneにインストールするソフトウェアということではなく、aiPhoneを要求仕様通り動作させるための、aiPhoneユーザから見たらブラックボックスとなる内部ソフトウェアのこと。)

(設計仕様概念)
(統合テスト)
  ↑↓    
  ソフトウェアシステム設計
ソフトウェアシステムテスト  
    ↑↓      
  ソフトウェアモジュール設計
ソフトウェアモジュールテスト  
    ↑↓      
  ソフトウェア実装  

内部ソフトウェアはすべて外部委託とするか専門職を派遣して一括で任せた方が良い場合も多いが、これだとハードウェア~ソフトウェア間の確定した詳細ドキュメント作成が必須になるため一長一短がある。どちらが良いかは開発内容や人員のスキルや得意不得意にも左右される。(正社員になることがスキルアップ(レベルアップ、ポジションアップ)に繋がるという人も多いが、人によっては、正社員になると本来成すべき仕事が後回しにされることが多く自身の専門的技術力の劣化とストレス大幅アップに繋がる。)


・リーダーは開発規模に合わせて余裕を持った人員(開発メンバー)数を例えば次の通り計画して上に報告する。

人員 品質保証チーム 開発チーム(管理担当)

リーダー

1人
(k.ジョブズ氏対応)

1人
(管理、営業対応)

メンバー

1人
(開発チーム対応)

1人
(k.ジョブズ氏対応)

1人
(品質保証総合テスト)

1人
(翻訳担当、他チーム対応)


開発チーム(実務担当)

人員 ハードウェアチーム ソフトウェアチーム

リーダー

1人
(管理、設計担当)

1人
(管理、システム設計担当)

メンバー

3人
(モジュール設計&実装&モジュールテスト担当)

2人
(モジュール1設計&実装&テスト担当)

1人
(外部委託モジュール担当)

2人
(モジュール2設計&実装&テスト担当)

2人
(テスト担当)

2人
(システムテスト担当)


・そして、このまま全て予定通り事が運べば、一億人総活躍社会も夢ではないという話に発展して行くことになる。

それぞれの担当者が余裕を持って思う存分に実力を発揮することができる。それぞれが新たな技法を編み出して楽しみながら作業を進めることができる。めでたしめでたしである。

・しかしである。足りないのである。

資金が足りないと、

人員数や開発ツール類、QAツール類を削減することになる。仕様を削るという選択肢はk.ジョブズ氏が許してくれない。
人員数を減らすということは一人で兼用する人が出てくるということである。
兼用できる作業、兼用しにくい作業というのがある。
兼用できる作業の場合、一人で二人分の仕事をすることが生き甲斐という人にはそれなりの効果もある。あるいは、たとえばk.ジョブズ氏のような人はaiPhoneプロジェクトの開発途中でaiPodプロジェクトやaiPadプロジェクトなるものを同時に担当することになったとしてもそれは可能で、むしろ相互作用によるメリットが生まれる可能性が高くなる。若いころからの努力の積み重ね+DNA的な適正がそれを可能にしていてほんの一部の人に与えられた特権と言える。日頃から考える仕事に専念することができていて単純作業はブラックボックスとなっているため24時間仕事しても苦よりも意欲が先に来るものと思われる。逆に一日2時間程度しか仕事しないで娯楽ばかりやっているつもりでもいちいち考えて行動しているためそれが仕事にも繋がるものと思われる。
話が逸れたが、兼用しにくい作業は「しない。」という選択肢も出てくる。開発期間を考慮すると「しない方が良い。」という選択肢は確実に存在する。
「しない。」という選択は下から選択される。たとえば無限とも言える時間が必要となるソフトウェアモジュールテストである(ユーザに見えるような仕様のテストは上のソフトウェアシステムテストで実施される)。ソフトウェアで手を抜いた分はハードウェアで対処する。例えば、ソフトウェアのモジュールが暴走した場合に備えて、より強固な安全システムをハードウェアのモジュールに搭載する。勿論このハードウェア安全強化対応モジュールを制御するソフトウェアモジュールは確実にテストされる。

こうした経過を得てaiPhoneが完成する。完成したaiPhoneは次の製品(バージョンアップ品、他機種)に流用される。

aiPhoneの次のバージョンはコストダウン製品が想定される。

ここでハードウェア安全強化対応モジュールの意味を忘れて、安価な部品に変更するなどの弊害をなくすためには、次の担当者への確実な情報の伝達が必須になる。

建設業界で話題の“杭”は建物を長年に渡って支える安全モジュールと言うことができる。

マンション欠陥工事に関して業者がテレビでインタビューに答えていた内容を引用すると、 「自分達の仕事が減ることになるから断りきれないというのが現実。欠陥工事が頻繁に行われるのは建物の根幹にかかわる場所。工期に遅れがでた場合でも内装工事や外装工事などの仕上げの作業に必要な時間が削減されることは少ない。仕上げで急ぐと見た目が悪くなる。見た目が悪いのは誰がどうみてもまずい。売り上げが優先するのでそういったことは出来ない(aiPhoneでいうと、統合テストは手を抜けない)。しわ寄せがいくのは見えない部分(aiPhoneでいうと、k.ジョブズ氏の目が届かない部分)。完成前から販売されて入居日がすでに決まっていて工期を伸ばせない。」

外部会社に一部モジュールを依頼する際、開発プロセスや管理方法などは業界で統一したものにするとともに、十分な検証体制、作業に見合った工期(つまりは資金)が必要である。

完成前に販売してはいけないという統一ルールはどうだろう。

今年ノーベル賞を受賞したスーパーカミオカンデ。凡人から見ると「常軌を逸した大事業」という解釈もわかるような未だ未知のとてつもないものに資金を投じる決断をさせた人達という見方をしても凄いことである。

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